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飛車落ち
いろいろな指し方を試みてきてついに局数が450局を突破しました。各戦法についての管理人なりの考察は下記の通りです。
某プロ曰く、「飛車落ちは下手が勝手に転んでくれるから一番楽な手合い」だそうです。むぅ。
別の某プロ高段者曰く、「飛車落ちは位を保って駒組みしさえすれば、上手から攻める手がまったくないので、
一番いい時に仕掛けて必勝ですよ」だそうです。
Ⅰ.右四間飛車定跡 218局 78勝138敗2指し掛け .361
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まずは悪名高き右四間飛車定跡を指してみました。難解ながら定跡が整備されているので、完璧に
指しこなせれば下手必勝のようです。(某アマチュア高段者説)
右四間飛車定跡は、△3三桂留とそれ以外とに大別できます。仕掛けは▲4五歩しかないので、指し方が
分かりやすいこと、△3三桂留は、唯一の攻撃力である上手の角の活用を封じ込めることができるのが
最大のメリットです。ただ攻めが単調になりやすい上に▲5六銀を捌き損なうとどうしようもなくなること、
玉が薄すぎること、上手の▲6五の拠点が大きすぎること、などがデメリットです。
特に△3三桂留で6二玉、または6三玉のまま待たれる形はなかなかに難解で、これで勝ちきれるようなら
角落ちでも互角に戦えるんじゃないかと思います。
ただ、手筋の宝庫なので、勝敗はともかく飛角銀桂の捌き、鋭い寄せなど、攻めの手筋を覚えるには最適
だと思います。指導料を払って習うならこの戦型を選択すべきでしょう。
▲4五歩と仕掛けた瞬間からもう終盤。1手のゆるみもなく上手玉を寄せ切る力が要求される戦型です。
Ⅱ.6筋位取り 30局 14勝16敗 .467
6筋位取りの実戦譜へ
次に山口瞳の血涙十番勝負で有名な6筋位取りをやってみました。管理人の通っている教室でも、これを
得意にしている方がいらっしゃいます。
位を取った後、振り飛車にする指し方と右四間飛車のままの指し方と2とおりあります。
振り飛車にすると、攻撃力はこの上なく強力なのですが、組みあがるまでに手数がかかるため上手から
先攻されやすいこと、飛車を振っているにもかかわらず、美濃囲いと比べて下手玉が非常に薄いことが
デメリットです。
一方、右四間飛車のままだと狙いの分かりにくい将棋になります。
最も勝ちやすい戦型だと思いますが、同時に手筋の習得という意味では最も勉強にならない戦型でもあります。
Ⅲ.四間飛車 60局 24勝36敗 .400
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6筋位取りからの四間飛車が玉が薄いので、ならばいっそのこと最初から四間飛車に振り、6筋の位を取って
6六銀型にした上で美濃に組めばよいのではないか、という発想で指し始めたのが四間飛車です。
上手の指し方によって、平手の対玉頭位取りのような形と、相振り飛車のような形の2とおりあります。
6筋の位を確保して角のにらみを利かせながら指すのがポイントです。何といっても美濃が堅いのが心強く、
非常に優秀な戦法ではないかと思います。とにかく指しやすいのでお勧め。
追記:対玉頭位取りのような形になれば厚みで押しつぶす将棋になりやすく非常に
指しやすいのですが、相振り飛車のような形にされた場合は四間飛車のままでは攻めが上手陣にヒット
しないので向い飛車に振りなおす必要があり、その間に上手に理想形に組まれて先攻されてしまい、
受け一方になってしまうのが難点です。
相振り飛車が得意な振り飛車党の人にはいいかも。
Ⅳ.居飛車引き角 83局 35勝46敗2指し掛け .432
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6筋位取り四間飛車は非常に優秀だとは思うのですが、管理人は居飛車党なのでいまいち感覚がつかみ切れず、
居飛車の将棋に戻ってきました。さすがに右四間飛車は飽きたので、居飛車引き角を試してみました。
定跡通りに2筋の歩を切った上で角交換になれば下手が圧倒的に指しやすくなりますが、当然のことながら
そうはならず、上手も角交換を回避してきます。そうなると争点が多くてごちゃごちゃした相矢倉風の形になりやすく、
角筋を利用した上手の攻めも強力で、指しこなすには相当の力が必要です。
特に△4二角引き型はなかなかに優秀で、将棋の基礎体力が問われます。
矢倉の得意な居飛車党の人にはいいかも。
Ⅴ.ゴキゲン中飛車 35局 9勝25敗1千日手 .265
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引き角も飽きてきたので、平手の後手番戦法としても猛威をふるっているゴキゲン中飛車は、駒落ち下手の
戦法としても優秀なのではないかと思って試してみました。
「飛車落ちで、指されて2番目嫌な戦法だ」という上手もいる一方、「5筋に手をかけすぎているために、
どうしても上手に先攻される展開になりやすく、あまりいい戦法とは思えない」という上手もいます。
結論は、平手と違ってあまりゴキゲンにはなりにくい戦法だと思います。その理由として、5八の飛車が
邪魔で高美濃に組むのが1手遅れること、5筋から攻め潰すことができないので結局▲6八飛と振り直す
ことになってしまうこと、これによる2手の遅れを取り戻すために玉側の端歩を手抜く必要があること、
▲5五歩と角道を止めているために上手の攻撃陣を角で牽制しづらいこと、などが挙げられます。
結局上手に理想形に組まれて先攻されてしまい、受け一方になりやすいのが難点です。
結果は惨憺たるもので、フキゲン中飛車になってしまいました。
追記:銀冠に組みあげて上手からの攻めを完全に封じるのが指しこなしのポイントのようです。
また、三手目△5四歩戦法に対しては最有力の指し方です。
Ⅵ.お神酒指し 18局 7勝14敗 .333
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上手からの変化球として避けて通れないのがお神酒指しです。
どうやっても下手有利のはずですが、具体的にどう指したらいいのか分かりづらく、管理人も苦戦しています。
とにかく何をどうしたらいいのか分からない、とらえどころのない将棋になりやすく、玉側の端をいじられて、
受け損なっておかしくすることが多いようです。
棒銀でカウンタを食い、中住まいの急所の5筋に狙いをつけると自玉も極度に弱体化するので逆転され、
飛車を振れば角打ちのスキができ、苦心惨憺の末にようやく編み出したのが平手腰掛銀風の仕掛けです。
実戦例が少ないので、まだまだ改良の余地はあると思います。
Ⅶ.力戦型 37局 12勝24敗1指し掛け .333
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稀にですが、上手から力戦型に誘導してくる将棋もあります。ご参考までに紹介します。
特に3手目△5四歩戦法は上手にとっては角の活用が見込めるので、上手の秘策としては優秀かもしれません。
追記:3手目△5四歩戦法には中飛車で対抗するのが良いようです。上記Ⅴ.ゴキゲン中飛車の棋譜も参照してください。
Ⅷ.革命定跡(飛車落ち編) 21局 5勝16敗 .238
革命定跡(飛車落ち編)の実戦譜へ
右四間飛車定跡の出だしで、▲4八飛の代わりに▲4五歩と仕掛ける定跡です。
右四間飛車定跡にも飽きてきたので、試しに指しています。角を手持ちにして上手の駒組みに制約を与える方が得策のようです。
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